技術士合格体験記

 
5.受験'99・口頭再現編
  以下に、口頭試験での質問内容を書きます。公開しても
 差し支えないと思われる範囲での書き込みとなりますが、
 だいたいの様子はわかると思います。
  なお、質問の順番は実際とは異なる場合があります。
  (というよりも、どんな順序で質問が出たか、よく覚え
  ていないのです)
 
(4) 口頭試験
    1999(平成11)年度口頭試験
     日時:1999年12月11日(土)
     場所:東京渋谷、フォーラム8・8階会議室
 
   試験官2名
   A(向かって左):50前後くらいの細面の人、黒縁メ
            ガネをかけている。
            現役技術士か、あるいは官庁関係の
            人か?
   B(向かって右):40代くらいの大学の助教授風の人。
            銀縁メガネをかけている。
 
   私:失礼します。Cの○○番のほりほりです。よろしく
     お願いします。
   A:荷物をそこにおいておかけください。
   私:(荷物をおいた後、椅子の横に立ち)よろしくお願
     いします。
   A:どうぞおかけください。
 
   A:あなたの会社の業務内容と、あなた自身の業務内容につ
     いて説明してください。
   私:××会社に勤務しています。業務内容は総合情報サービ
     スです。
     その中で私の所属している部署は事務処理系のアプリケ
     ーションの開発を行っています。
     私自身は、入社後約○年は□□システムの設計・開発を
     行いました。次の○年は××システムの設計を行いまし
     た。
     平成○年以降は△△システムの設計、開発を行い現在に
     至っています。
 
   B:最新の技術情報を得るためにどんなことをしていますか。
   私:コンピュータ関係の雑誌を読んでいます。また、日経産
     業新聞を購読しています。
   B:ほう、日経産業ですか。雑誌と新聞で最新情報の収集は
     足りているのですね。
   私:足りているかどうかはわかりませんが…

   B:何か学会にはいっていますか。
   私:いえ、合格したら技術士会に入ろうと思っていますので、
     2、3の学会をかけもつのはちょっと…
   B:つまり入ってないのですね。
   私:あっ、はい。入っていません。
 
   B:著作権に関して制度が変わりましたが、公衆送信権につ
     いて、何かご存じですか。
   私:公衆に受信されることを目的として、情報を無線、有線
     を介して送信する権利です。
   B:公衆送信権については、プログラムに関してこれまでと
     違う概念が導入されていますが、ご存じですか。
   私:送信可能化権です。情報をホームページにアップロード
     しただけでは送信したと見なされませんが、誰でもアク
     セスすることができる状態にあるということから送信可
     能化権として保護されます。
     (試験官は、「プログラムに関して」とケースを特定し
      ています。従って、構内LANにおけるプログラムの
      配信に権利が及ぶことになったことを答えたほうが適
      切であったと思います。)
 
   B:国際化の観点から外国語、特に英語ですが、英語の文書
     の読み書きはできますか。
   私:英語の教員免許を持っています。
   B:ほう。
   私:もう何年も使っていないので、練習が必要ですが、何と
     かなると思います。(ほんとうかなあ〜 (^^;) )
 
   B:情報に関する公的資格は何かお持ちですか。
   私:はい、情報処理技術者のプロジェクトマネージャ、アプ
     リケーションエンジニア、二種、一種を持っています。
   A:システム監査は考えていませんか。
   私:この後(=技術士試験に合格すれば)予定しています。
 
   A:技術士法は読まれていますか。
   私:はい、ざっと目を通しました。
   A:では技術士とは何ですか。
   私:登録を受け、科学技術に関する高等の専門的応用能力を
     要する事項に関する、計画、設計、研究、分析、試験、
     評価、及びそれらに関する指導の業務を行う者を言いま
     す。
   A:技術士の3大義務はご存じですか。
   私:信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、技術士の名称を表
     示する場合の登録部門の表示義務です。
   A:信用失墜行為の禁止について、具体的にどんなことがあ
     るか説明してください。
   私:お客さまから調査を依頼された場合に、実際に出たデー
     タを何らかの理由で故意にねじまげ、そのことがお客さ
     まに発覚した場合に「それが技術士のすることか」とい
     われるようなことをしてはいけない、ということです。
   A:秘密保持義務も大切なのですが、それを破った場合の罰
     則を知っていますか。
   私:確か、1年以下の懲役または、50万円以下の罰金です。
 
   B:技術士の志望動機は何ですか。
   私:今の業務を行って××年以上が経ちますが、今後技術者
     として生きていく上であるべき姿を模索しておりました。
     イメージはあったのですが、なかなか具体的になってい
     ませんでした。技術士の資格を知り、これが自分の目指
     すべき方向性である、と確信したので受験しました。
 
   B:技術士制度の改善が問題になっていますが、何かご存じ
     ですか。
   私:APECエンジニアとの相互承認問題があります。国に
     よって技術士のような制度がありますが、レベルが違う
     ので、相互承認するためにレベル合わせをどうするか、
     ということが問題になっています。
   B:そのために、あなたはどうすればいいと思いますか。
   私:国によって事情が異なるので、技術者のレベルが異なる
     のは仕方ないと思います。たとえばA国とB国との間で
     レベルが異なる場合、そのギャップを埋めるような試験
     をするなどがいいと思います。
 
   A:現在何名くらいの体制で、どのような立場で仕事をされ。
     ていますか
   私:○○プロジェクトが立ち上がっております。
     当社としては約××名の体制で、そのうち△△名のグル
     ープのリーダーをしております。
   A:さらに外注さんを使っておられるのですね。
   私:いえ、△△名の中に、協力会社の方も含みます。
 
   A:部下を持っておられるようですが、メンバーと仕事をす
     る上で特に気をつけるべき点は何だと思いますか。
   私:メンバー間のコミュニケーションです。
   A:そのためにどんなことをしていますか。
   私:プロジェクトが立ち上がりますと、新しいメンバーが入
     ってきます。
     お客様の環境も知らない、業務も知らないメンバーに対
     し、お客様の業務や、システムの特徴などを最初にオリ
     エンテーションします。
     そのあとは、適宜「調子はどうですか。何か困っている
     ことはありませんか」と声をできるだけかけるよう努力
     しています。
   A:メンバーとコミュニケーションをとる上で、ドキュメン
     トによる場合と、口頭で行う場合とあると思いますが、
     どちらの比重が高いですか。
   私:ケースによります。
     標準類や、周知事項に関しては、必ずドキュメントを使
     います。口頭だけでは、すべて理解されるとは限りませ
     んし、ドキュメントがあれば、後から見て理解すること
     が可能です。
     プロジェクトの問題点に関するような場合は、逆に口頭
     が多くなります。
   A:環境に不慣れなことによる問題が発生する場合もあると
     思いますが、その防止のためにどんなことをされていま
     すか。
   私:重要なことは、適宜文書などを用いてメンバーに周知し
     ています。また、できるだけお客さまの環境に詳しいメ
     ンバーを連れてくるようにしています。
   A:その調整は、あなた自身がされるのですね。
   私:はい、私がやります。
 
   A:プログラミングを自分でされることはありますか。
   私:設計がメインですので、滅多にありませんが、どうして
     も必要な場合はやります。
   B:今までに経験したプログラミング言語は何がありますか。
   私:COBOL、××、VISUAL BASIC、あと今
     はもうないかもしれませんが、○○という言語も経験し
     ています。
   B:○○とは、何か高級言語ですか。
   私:いえ、階層型データベースをターゲットにした第4世代
     言語です。確か△△社の製品だったと思います。
 
   B:□□(RDBの商品名です)を今も使っているお客さん
     はありますか。
   私:はい。多くのお客さまが基幹系のデータベースとして使
     っておられます。
   B:2000年問題の対応について、□□は大変だったので
     はないですか。
   私:私は2000年プロジェクトには直接参画しておりませ
     んが、□□のバージョンUPや、アプリケーションの改
     修は大変だったようです。
   B:2000年問題に関する危機管理マニュアルを作成しま
     したか。
   B:私は2000年プロジェクトには直接参画しておりませ
     んので、私が作った文書はありません。ただ当社でつく
     ったものと、お客さまが作られたものと両方あります。
   B:2000年問題で、対応はもう済んでおられると思いま
     すが、何か懸念事項はありますか。
   私:直接のお客さまはおそらく大丈夫であろうと思います。
     ただ、データのやりとりを、外部の中小企業などと行っ
     ていますので、そちらの対応がうまくいっているかが懸
     念点です。
 
   A:作業形態は常駐が中心ですか。
   私:現在は常駐です。それ以前のプロジェクトに関しては、
     持ち帰りで開発し、カットオーバー直前に客先に詰める
     という形態です。
 
   A:特許、論文はありますか。
   私:特許はありません。論文も社外に発表したものはありま
     せん。
   B:英語で論文等、たとえばABSTRACTなどを英語で
     書いた経験はありますか。
   私:はい、業績欄の一番目に書いた全社研究発表大会の論文
     のABSTRUCTは英語で書きました。
   A:海外のお客様との仕事の経験はありますか。
   私:私自身はありませんが、社内にはあります。
 
   B:情報工学に限らず、技術者の職業倫理が問題になってい
     ますが、機密漏洩の防止について、何かされていますか。
   私:はい、文書等でメンバーの参画時、また適宜禁止事項等
     周知を行っています。
   B:何かシステム的に対応していますか。
   私:社内との連絡のやりとりをインターネットメールで行っ
     ているのですが、それをできるメンバーを絞っています。
   B:インターネットメールというのは、社内LANと接続し
     ているのですか。
   私:いえ、社内LANと直結することはお客さまから許可さ
     れていないので、外部のプロバイダを介しています。
   B:情報漏洩の問題が実際にあなたの身近に起こった経験は
     ありますか。
   私:幸いありません。
 
   B:技術士の資格をとったらどう活用しようと考えています
     か。
   私:社内でコンサルティングビジネスを立ち上げようとして
     いますので、そちらに参画したいと考えています。
     (試験向けの答えです)
     また、何年か後にチャンスがあれば、独立も考えていま
     す。(これも、試験向けの答えです)
 
   B:会社では技術士の資格を奨励していますか。
   私:合格すれば、月額□□円の手当が×年間でます。
   B:社内に技術士は何人いますか。
   私:△人です。
   A:全員情報工学部門ですか。
   私:はい、情報工学部門です。
 
   A:自分の専門外に関する問い合わせがお客様からあった場
     合、どうされますか。
   私:自分で答えられる内容であれば、対応します。そうでな
     い場合は一旦社内に持ち帰り知っている人間に聞きます。
     または、技術専門の部署がありますので、そちらに問い
     合わせます。
 
   B:情報収集という意味で、社外のデータベースを利用する
     しくみはありますか。
   私:いえ、ありません。
 
   A:あなたが開発した古いシステムを運用しているのですか。
     それともお客さまに引き継いで運用されているのですか。
     (質問の意図がよくわからなかったが、こんな内容の質
      問だったと思う)  
   私:お客さまに引き継いでいます。ただその場に私もおりま
     すので、何かあった時は対応します。
 
   B:お客さまに納品するドキュメントに関して、決まったも
     のはありますか。
   私:いえ、ありません。
     お客さまによって違いますが、様式を指定される場合も
     あれば、指定されない場合もあります。指定のない場合
     はこちらから提示します。
     (こんな内容の質問だったか、定かでない)
 
   A:新しい技術について内容を詳しく調べる場合に、どうし
     ていますか。
   私:コンピュータ雑誌などで調べます。
   A:やはり雑誌ですか。
   私:ただ、雑誌だと内容が浅いので、マニュアルに直接当た
     る場合もあります。
   A:どのようなマニュアルですか。
   私:そのソフトの発売元のものです。
   A:そのマニュアルは英語ですか。
   私:一部には英語のものもありましたが、殆ど日本語です。
 
   B:ドキュメントの書き方について、メンバーの指導をされ
     ると思いますが、どのような点に気をつけて指導します
     か。
   私:わかりやすい文書かどうかを見ます。特に若い人が書く
     文書は思いこみで書かれた物が多く、まず最初に結論を
     書きなさい、その後で詳細を述べなさい、図表を使いな
     さい、などの指導をします。
   B:そういった指導をする場合に、基準のようなものはあり
     ますか。
   私:いえ、一般の技術文書の書き方などの書籍を参考にして
     います。
 
   A:では、これで終わります。お疲れさまでした。
   私:(座ったままで)どうもありがとうございました。
     (立ち上がって、荷物を持ち試験官に)どうもありがと
     うございました。
     (呼び出し係りの女性に向かって)ありがとうございま
      した。
     (部屋を出て、ドアを閉める直前に、もう一度試験官に
      向かって会釈)
 
(5)口頭まとめ
    日常の業務で実際に取り組んでいることに関する質問
   が多かったので、あまり考え込むことなしに、質問に答
   えることができました。
    そのため、テンポよく次々と質問が出され、後から数
   えるとかなりの質問数になってしまいました。
    筆記試験、副票に関する質問は一切なく、技術的に突
   っ込んだ質問もありませんでした。リーダーとして現場
   でどんな取り組みをしているのか、という種類の質問が
   多かったようです。
    ある程度経験のあるSEであればどうしても管理者的
   な立場で作業をすることが多くなります。ただ、試験で
   は、それを強調すると不利になる、と聞いていたので意
   外でした。
    プロジェクトマネジメント技術についても重視される
   方向に変わってきているのでしょうか。
    とにもかくにも99年度の試験は無事終わり、新幹線
   でシューマイの駅弁を食べながら、大阪へ向かったので
   した。
 
(6)合格発表
    合格発表前夜、関西は大雪でした。仕事で遅くなった
   私は、「明日、電車が止まったら嫌やなあ」と思いなが
   ら最終電車で家に帰りました。朝、西梅田の売店で日刊
   工業新聞を買い、結果を確認しようと考えていたからで
   す。
    翌朝、少々電車は遅れたものの、無事西梅田へ。お目
   当ての売店で、日刊工業新聞を購入し自分の名前を発見
   することができました。
    会社に着いて、早速お世話になった方へ報告メールを
   出しました。
    夜、自宅に帰ると社内の先輩技術士の方から、押し花
   の祝電が届いており、感激。
    4歳の長男から「試験、オメデトウ」といわれ、再度
   感激。
    妻からは、「これで連休はお出かけできるのかしら」
   と言われ、苦笑い。
 
    とにかく、2回目の挑戦で何とか合格できてよかった
   と思います。
   なお、翌日は記念にと、官報も購入しました。
             (5.受験'99・口頭再現編 終わり)
 
 
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