技術士合格体験記

 
3. 受験99・筆記編
 
     1999(平成11)年度の筆記は無事合格できまし
    た。98年度の不合格から、どういう対策を打ったかを
    中心に述べたいと思います。
 
(1) 98年度の反省
     98年度の結果から分析した、不合格の原因は以下の
    通りです。
    a.自分が技術士の試験を受ける資格があるのか最後ま
      で迷っていたこと。
    b.知識論文対策が、完全に不足していた。特に情報数
      理については、どう準備すればよいかわからなかっ
      た。
    c.(ここは受験テクニックの領域ですが)特に業績論
      文において、試験官にアピールできるような表現が
      できなかった。(と思う)
    
    a.について
      以前にも書いたように、私は事務処理系アプリケー
     ションシステムの構築をしています。
      最新の音声認識技術を使って開発をしたとか、人工
     知能の理論を応用したとか、いわば「華のある」開発
     の経験はありません。
      果たしてこのことが、技術士法でいう「高等の専門
     的応用能力を要する事項」なのかどうか自信がありま
     せんでした。
      また、日々のシステム構築の過程で技術的課題にぶ
     つかるのは日常茶飯事で、都度解決策を立て対応して
     います。
      ところが、こういう問題解決は技術士でなくても、
     SEであれば当然のこととして誰でも行うことです。
      普通のSEと、技術士の違いは何だろうか、この迷
     いが論文に少なからず影響していたように思えます。
      やることは一見同じでも、背景となる知識・技術・
     応用力が違うのだ、という自分なりの答えが出たのが
     99年度の受験願書を出す頃でした。(自分はそんな
     領域にはとても達してはいませんが・・・)
      この答えが正しいのかは、わかりません。できれば
     皆さんの意見を伺いたいところです。
    
    b、cについて
     これは、根本的に技術士試験に関する情報が不足して
     いたということになります。
     この対応は、とにかく情報を集めることでした。
 
(2) 情報収集
     試験に関する情報収集で大きな成果があったのは、ニ
    フティの資格試験フォーラムに技術士受験者向けの会議
    室の存在を知ったことでした。
     98年末に購入した参考書に紹介があったのです。
     さっそくThink Padを購入。年明けにニフティに入会
    しました。
     入会後はα会議室時代からの過去ログ全てに目を通し、
    情報不足問題は解決したのでした。
     まさに、目からウロコ状態でした。
 
(3) 願書提出
     1998年の年末から副票の準備を始めました。昨年
    の反省を踏まえ、かなり書き方に工夫をこらしました。
     例えば業務経歴の場合、「○○システムの開発」とし
    ていたものは、「○○システム開発における××処理対
    策計画とその実施」という具合です。
     業績欄においては、題材の見直しをしました。
    特許・論文でなくてよい、ということで、顧客に提案し
    た事項や、開発事例など少しでも題材になりそうなテー
    マを抽出し、もっともらしく書きました。
     普通なら「△△についての提案」などと記述するもの
    を「□□における△△についての@@対策〜¥¥システ
    ム開発における顧客への提案〜」のようにできるだけ具
    体的に記述しました。年明けからYさんのレビューを受
    け、99年の1月末にほぼ確定しました。
     実際、できあがった副票を見ると、同じことでも書き
    方一つで随分印象が変わります。まるで他人の副票を見
    ているようでした。
 
(4) 業績論文の準備
     最初に検討したのは、テーマを98年と同じにするか
    どうかでした。98年に選んだテーマのうち1件は、も
    う10年も前のものでした。内容さえしっかりしていれ
    ば少々古くても、問題ないように思うのですが、できれ
    ば新しいほうが無難でしょう。そう考え、一番最近担当
    した業務と入れ替えました。
     もう1件については、業務は98年と同じで、技術テ
    ーマをもっと書きやすいものに変えました。
     その他、98年度と比べ以下の点に留意しました。
    ・過去の業務の列記は表形式で、1枚目の表面に収める。
    ・詳細に書く2件のテーマについては、1つずつ図を記
     入する。
    ・文章表現は、ある程度ストーリー性を持たせ、読みや
     すくする。
     内容をしっかりおさえる、ということが一番大事です
    が、「興味を持って読んでもらえる」ということも重視
    しました。
     例えば、「私は平成○年×月より@@システム開発プ
    ロジェクトに参画した。」と書くよりも、
    「平成○年×月、@@システム開発は大きな技術的問題
    が発生し、納期遅延が確実な状況に陥った。そのころ、
    別のプロジェクトを担当していた私は、この問題解決に
    あたるため、〜」としたほうが、読みやすいと思います。
     また、図を入れて視覚に訴えるのもその一つです。
     99年度の業績論文は3月末から始め、5月の連休明
    けに一旦区切りをつけました。98年度に比べれば、約
    3ヶ月早く終わっています。これはたとえ不合格でも、
    1回受験を経験していたというのが大きな財産でした。
     このため、知識論文の準備を余裕を持って行うことが
    できたのです。
 
(5) 知識論文の準備
     98年度に不合格となった要因の一つに、知識論文の
    準備が十分にできなかったことがありました。
     そのため、ここは十分に対策を練ることにしました。
     ひとつには、試験に出そうな技術テーマの抽出をどう
    するか、ということでした。98年度は、日経コンピュ
    ータを中心にテーマの洗い出しを行い、99年度も基本
    的に同じ方針で臨みました。
     それに加えて日経産業新聞を購読し、日々の最新情報
    を仕入れることにしました。慣れないうちは、1日分か
    ら必要な記事をスクラップするのに2時間程度かかりま
    した。が、慣れてくると1時間以内でできるようになり
    ます。
     3〜4ヶ月ほど経ってからわかったのですが、重要な
    キーワードは日をおいて何度も出てきます。そのうち、
    日経コンピュータなどの雑誌にも掲載されるようになる
    ので、スクラップをする間も惜しい人は、目を通すだけ
    でも効果があると思います。
     ふたつめは、情報数理対策でした。情報システムや情
    報応用を選択している人は、情報数理が苦手な人が多い
    のではないでしょうか。私もその一人です。
     何かの参考書に「情報数理はORとAIが中心に出題
    される」とありました。確かに過去問題を分析してみる
    と、必ずORから1題出題されています。
     そこで、ORの入門書を1冊購入しその目次の中から
    過去に出題されていないテーマを抜き出して、まとめる
    ことにしました。
     AIに関しては、イミダスなどからAIに関するキー
    ワードを抽出し、まとめました。イミダスに書いてある
    説明だけでは、試験には物足りない場合もあるので、
    適宜参考書を参照して、要点をまとめるようにしました。
     OR、AIともキーワードについてまとめたあと、さ
    らに、2、3テーマを選んで、論文の形にしました。
 
(6) 直前対策
     98年度と同じように、本番2週間前から手書き練習
     などを行いました。
     内容は、ほぼ98年度と同じだったので省略します。
 
(7) 本番当日
     99年度の試験は8月26日(木)に行われました。
    念のため、前日に下見に行って当日に備えました。
     業績論文は、例年と同じ問題でした。ここはひたすら
    「記述士」と化し、用意した論文を再現することに全力
    を尽くしました。
     午後のI−2−1はLinuxによるシステムを構想
    する問題でした。「おおっ、これなら書ける!」思わず
    叫びそうになりました。
     実はLinuxについては試験向けの準備は何もして
    いません。個人的に興味があって、雑誌や本を購入して
    丹念に読んでいましたし、日経産業新聞にも頻繁に記事
    が出ていました。出題される可能性は高いが、何とか書
    けるだろう、と考えていたのです。
     大当たりでした。問題の内容自体もひねったものはな
    く、基本的なものだったので、知識を総動員して解答す
    ることができました。
    I−2−2では、コンピュータウィルス対策を選択しま
    した。これも準備していなかったのですが、あまりにも
    タイムリーな問題であったため、それなりに書くことが
    できたと思います。
    IIの情報数理は、やはりORから出ました。待ち行列理
    論です。
     これは、情報数理の準備を始めた最初のころにまとめ
    ただけだったので、かなり記憶が怪しくなっていました。
     公式を記述するのは思い切ってあきらめ、銀行の
    ATMをとりあげ、単純な例をあげて説明しました。
     その他、情報応用からはEDIを、電子計算機システ
    ムからは、キャッシュメモリーを選択し解答しました。
     どれも準備していなかった問題です。でも一度は何か
    で目に触れたテーマです。記憶の糸をたどり、必死で解
    答しました。
     午後の問題で共通的に気をつけたことは、1問につき
    必ず、図を入れるようにしたことです。知識不足を補う
    ためと、字数を稼ぐためです。
     全体として手応えはあったものの、Linuxを除け
    ばかなり内容の薄いものとなってしまい、不安の残った
    結果となりました。
 
(8) 合格発表
     発表当日は、昼休みに技術士会のホームページで結果
    を確認しようとしたのですが、アクセス件数が多いらし
    く、なかなかページが開きません。たまたま職場が日本
    技術士会近畿支部の近くということもあり、まちきれな
    くなった私は、走って近畿支部へ。
     この目で直接合格を確認したのでした。
    「これ以上の解答を要求されるんなら、一体どんな勉強
    をしたらええんやろ?」と筆記終了後から考えていたの
    ですが、そんな悩みもふっとび、ほっとしたというとこ
    ろでした。
             (3.受験99・筆記編 終わり)
 
 
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